13/08/2016
今日は今、現在、日本における、タトゥー、刺青の状況についてを書いていきたいと思います。
でも、昔よりは良くなってきたんでしょ?
これからオリンピックもあるし、良くなるでしょ。
よく聞かれるけど、違います。
状況は過去最悪になりつつあります。
彫った事で逮捕者が出たり、入れているだけで当然のように、面と向かって差別的な発言をされるようにされる事も出てきました。
これはここ数年での事です。
これまで日本の社会はもっと寛容で、ここまで差別が当たり前ではありませんでしたし、逮捕者も出るなどありませんでした。
数年前、大阪職員全て、刺青の有無を調べるという事が起こりました。「人権無視だ」と拒否した職員は刺青を入れていないにも関わらず、「受け入れないのなら」と解雇されました。
世論は国、行政の言う事が聞けない職員は辞めさせるべきだとの意見が大半でした。
温泉は勿論、駄目です。
ニュージーランドから来たマオリの女性が、刺青を理由に拒否されました。
他国の伝統文化、アイデンティティそのものを拒否する事に他なりませんが、あるアンケートでは、7割以上の日本人が外国人であろうと、日本のルールは守れという結果が出ています。
勿論、プールも駄目です。
(つい先日、「サマーランドのブログの記事」がとても差別的な内容で、外国人も日本人も全ての入れている人間を否定していました)
海の家(*日本では夏限定、シャワー、休憩、食事が出来る店がビーチに出来る)は見えていると入れなくなりました。誤解を承知で敢えて言わせてもらうと、海の家の経営はむしろ、刺青を入れている世界の人達も多いはずですが、刺青、タトゥーを嫌いな客のクレームが非常に多いようです。
子供の前でタバコを吸う事には寛容であっても、存在するだけでは害を成さない刺青は駄目なのです。
それだけでなく、最近はビーチそのものが駄目になりつつあります。
ビーチでタトゥーを入れていると、監視員が来てそこから追い出されるのです。
カフェ等、店に入る事も拒否されるケースも報告されてます。
大手カラオケ店でも見えている事が理由で、入店拒否されております。
渋谷にあるクラブも入れない所があると聞きます。
ゴルフ場も拒否されたと聞きます。
先日、過去最悪ではないかと思われる殺人事件がありましたが、その犯人が刺青を入れていたという事から、刺青との関係を疑う報道がありました。
元スポーツ選手、芸能人が薬物で逮捕された際にも、刺青との関係性が指摘され、薬物を止め刺青も消せという、多数の芸能関係者、元スポーツ選手のコメントが掲載されました。
居酒屋で見ず知らずのサラリーマンが、ある女性に向かって「タトゥーなんて入れやがって。俺の娘なら殴ってやる」と言われたというケースも報告されてます。
会社の飲み会の席にて、上司が女性社員をお偉いさん達の前に呼びつけ、「こいつはタトゥーなんて入れてるんだ」と毎回、人前に立たせ槍玉に上げるという話を聞いています。普段、見せていないにも関わらず。
ネットでニュースで、刺青=悪=社会には必要無いという図式が形成されつつあります。
それはここ最近、顕著になりつつあります。
レイシスト(*差別主義者)が、当然のように、ここまで堂々と発言をする事が許されるようになったのは、何故なのか?
入れている人達の側も、「入れているだけでマイナスなんだし、大人しくしないと」などや、自分達は「日陰者」という意識も多いのが現状ではないでしょうか(僕は色々な国々に居た関係上、その意識は分かり難いですが)。
ところで先日、高校野球で女性部員がグランドに立って練習をサポートしてると注意され、退場させられました。
理由は安全面を考慮し、グランドに立つのは男子のみだそうです。
日本ではまだまだこういった男女の差別、また、ある特定の趣味、趣向への差別、偏見が存在します。
このリオオリンピックの後、2020年、東京オリンピックが開催されます。
日本の代表であるオリンピック選手が刺青を入れていたら、代表にするべきじゃない。そんな意見も多いですが、本当にそれだけの基準で判断しても良いものでしょうか?
時は常に進み続み、多様化も進み、時代も前に進んでいくはずです。
確かに今の「無法状態」はとても危険です。規制は必要でしょう。でも、「車は事故を起こすけど、車が悪いわけじゃない」「刃物は人を傷つける事も出来るけど、料理にだって生活にだって必要なもの」です。区別する事は必要ではないでしょうか?
僕は日本が、より寛容で、大きな社会になる事を祈ってます。
またこういった状況が改善されるよう、今、Save tattooing Japanという活動があります。
日本人の方々、まだ、署名も受け付けています。ネットから用紙をダウンロードも出来ます。
裁判も控え、また活動にも資金が必要な為、募金活動もしてます。
そして、日本に興味ある方、日本に来る計画を立てている方、日本に来た事ある方々、日本に住んでいる方々、是非、皆さんも一緒にこの問題について考え、協力して頂けないでしょうか?
今のトコ、僕らの住む所はこの地球、ここしか無いようなので。
writting by 刺龍堂 – Shi Ryu Doh –
photo by Kotaku
添付記事の日本語への要約は、以下に記載:
「 現在リオ・オリンピックが開催されていますが、世界中のアスリート、のみならずオリンピックファンも、その多くがタトゥーを入れていることは周知の事実です。
彼らの多くは記念として、 あるいはお守りとしてタトゥーを彫ります。
しかし2020年のオリンピックが東京で開催されることについて 、懸念の声が上がっています。
日本では、医療資格保持者以外が肌に針を入れ、色を入れることを法律で禁じようという動きがあるからです。
タトゥーイストや彫師は医療とは全く別の伝統に根ざしており、そ の技術を磨き、各自のデザインを確立することにその人生を捧げて います。これは医療資格によって代替できるものではなく、日本の 彫師たちは、その芸術に見合うだけの認識と尊重を受けていません 。
実際には日本でも、様々な背景を持った普通の人々がタトゥーをしていますが、周囲を慮って公にはしない人が殆どです。
刺青を規制する法は実際には存在しないにも関わらず、温泉や海水浴場はタトゥーを入れた客を受け入れない傾向があります。
2020年のオリンピックの際に訪れた選手や観光客に対してどのような態度を取るべきなのか、注目が集まっています。
外国人向けに、 タトゥーを隠すシールを配っているところもありますが、そのシールで隠せないほど大きなタトゥーを入れている人も大勢います。
以前、マオリ族伝統の刺青を入れた学者が温泉入浴を拒否さ れるということがあり、国際的には、文化への認識の低さとして非難されましたが、国内ではただ「そういうものだ」と受け止められました。
もしも規制する法律が成立してしまったら、東京オリンピックに来た際に、「日本でタトゥーや刺青を入れたい」という人は違法行為をしていることになってしまうのでしょうか。 2020年と東京オリンピックは、選手やファン、そしてお金の流れを日本に運んでくれるでしょう。
しかし、意識の変化は運んでくれるのだろうか?
そうであることを願っています。」