04/08/2017
本日、タトゥー裁判最終弁論が行われました。
傍聴席は満席に埋め尽くされ、
彫師はもちろんのコト、直接的には関係のない一般の方まで
大きな関心を寄せていました。
以下、TAIKI氏の最終意見になります。
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私にとって、彫り師という仕事はかけがえのないものです。
高校生の頃から、自分の技術とセンスを磨いてきました。
お客さんの思いを乗せて、自分にしか彫れない、世界にたった一つのタトゥーは、
私にとっても、お客さんにとっても特別なものです。
その人のために彫った、その人だけに意味のある芸術作品です。
決してお金で売り買いできるようなモノではありません。
その作品は私自身の存在を証明するものです。
それをお客さんに喜んでもらえるこの仕事に誇りを持っています。
そして、彫り師は私だけではありません。
私と同じ志と誇りを持った彫り師がたくさんいることも忘れないで下さい。
自分を変えたい,強くなりたい,大切な人との絆を残したい,という思いを持ったお客さんがたくさんいることも、忘れないで下さい。
今回の摘発で、今は彫り師としての仕事ができずにいます。
彫り師の仕事が医師でなければできないとされることには納得がいきません。
私たちの仕事は、医師がすべきことだとは思えません。
この裁判の間も、大好きだった仕事が出来なくなって、
自分には他に何もないんだな、と改めて思うようになりました。
自分のデザインを気に入ってくれている、
自分のタトゥーに満足してくれているというお客さんの証言を聞いて、
本当にうれしく思いましたし、
またタトゥーを彫りたいという気持ちが強くなりました。
彫師という仕事に出会えたからこそ、
自分の意志で、自分の力でいきていると実感できたのだと思います。
タトゥーを彫ることは私の生きがいで、人生そのものです。
彫り師としての人生を返してもらえることを信じています。
TAIKIはゆっくりとしたペースで、
決して抑揚のある話かたではありませんでしたが、
一つ一つの言葉を丁寧に発するコトで、
この長い戦いの間に感じてきた、
彫り物に対する愛情や、そしてそれを突然に奪われた悔しさを込めて、
また他の彫り師さんの想いを重ね合わせ、
裁判官や法廷に来ていた全ての人達に伝えてくれました。
弁護団からは、
「職業は彫師です。」の一文から始まり、
検察の主張の矛盾点を簡潔な言葉で論破し、
立法の観点、医師の観点、医師法の観点などから、
「タトゥーを彫る行為は、医師法の定める医業に該当しない」
「タトゥーを彫る行為を医師法で規制するコトは、憲法の定める彫り師の【職業選択の自由】、そしてお客さんの【表現の自由】などの権利を侵害する行為である」
との主張をおこない。
日本にいるたくさんの彫師の生活を絶対に守るという、
強い意志と、覚悟を、柔らかな言葉に変えるコトで伝えてくれました。
裁判のあとの記者会見にて、
TAIKIは「無罪を勝ち取るという思いで闘ってきた。タトゥーは生きがいで彫り師の仕事は人生そのものだ」と述べました。
また、亀石倫子弁護士は、「犯罪ではないところに犯罪を作った警察のやり方はおかしい。いまは彫り師の仕事を守れると信じている」と述べました。
次回はいよいよ判決になります。
日時は9月27日 13時半から大阪地方裁判所 大法廷で行われます。
詳細はおってお伝えします。